コロラドスプリングス 8月12日(晴れ、山頂付近は時々曇り) 2012パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムの決勝レースが行われた。
チームAPEV with モンスタースポーツは、アメリカ現地入りから積極的にテストを重ね、E-RUNNER パイクスピークスペシャルのポテンシャル向上を計ってきた。
3日間のプラクティスを有効に使い、決勝レースへ向けてさらに細かな調整を行ってきた結果、走るごとにセッティングが進みタイムも向上、エレクトリッククラスのトップでフィニッシュすることは盤石、総合優勝も争えるポテンシャルがあることを確認することができた。
迎えた決勝。エレクトリッククラスの1番目としてスタートしたE-RUNNER パイクスピークスペシャルは、スタートから1km程で突如白煙をあげストップ。リタイヤを喫することとなった。原因はモーターのトラブルによるもので、これまでのテストでは全く兆候すらなかったものであり、今後マシンを日本に持ち帰り、原因をより深く追求して行く。
しかしながら、事前テストからプラクティスまでを通じて見せてきたパフォーマンスに疑いの余地はなく、最終的にレースはリタイヤという結果に終わったものの、チャレンジする過程で非常に多くのものを培うことができた。世界一過酷なレースと言われるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムへの挑戦で得た成功と課題が、電気自動車の技術開発に大きな足跡を残したと言えるだろう。
さらに、この活動を通じて多くの人達に環境に対する取り組みに関心を持っていただき、温かい声援をいただけたことは特筆すべきことだといえる。
たくさんのご声援ありがとうございました。
また、本活動をご支援いただいた協賛各社には心より御礼申し上げます。
チームは来年のリベンジを誓い、より一層の研究開発に邁進して行きます。
「パイクスピークには魔物が棲むと言われていますが・・スタートしてわずか1km位の所で車内に煙が立ちこめてきたため、トラブルを察してマシンを停めました。プライベートテスト、プラクティスを通じて熟成をしてきており充分に自信はありましたが、このようなトラブルは初めてで、これまで非常に快調だっただけに、今はただレースの結果に失望しています。しかし、私達はまだ新しい技術に挑戦している過程であり、チャレンジには様々な困難がつきものです。今日の結果を受けて、来年に向けてさらに技術開発を進めて行きます。応援ありがとうございました。」
プラクティス3日目の夜、コロラドスプリングスのダウンタウンでは「Fun Fest」が行われた。
歩行者天国となった道路には、予選上位のチームなどがレースカーを展示。
アメリカではモンスター田嶋の知名度も非常に高く、サイン会には長蛇の列ができた。
また、様々な催し物が行われ、街はパイクスピークヒルクライム一色にそまった。
中でも圧巻だったのは、フリーススタイルモトクロスの大ジャンプやフライトスーツで上空の飛行機から飛んだ人が会場のど真ん中に着陸するパフォーマンス。
モンスター田嶋はその会場に招かれ多くのファンに挨拶を行い、優勝を誓った。
コロラドスプリングス 8月10日(快晴)
2012パイクスピーク・インターナショナル・ ヒルクライムのプラクティス3日目が行われた。
エレクトリッククラスのプラクティス最終日の舞台はトップセクション。デビルズプレイグラウンドからサミット(山頂)まで、山の尾根伝いに敷かれたハイスピードコースが待ち受ける。2日目のミドルセクションとうってかわって高速コーナーが主体でほんの僅かなミスが重大な結果につながるため、昨日とはまた違ったテクニックと集中力が必要になる。
「プラクティス3日目の今日はトップセクションの走行でした。天候が快晴で例年にな
く穏やかに感じたのは、レースが4週間遅れたからなのか、地球温暖化の影響なのか、
気になるところです。スタート地点のデビルズプレイグラウンドには万年雪があるは
ずですが、今年は姿を消してしまいましたね。
このトップセクションは、非常にハイスピードで楽しいコースです。これまでの積み
重ねの成果で僕たちは良いフィーリングで走ることができました。コース後半の標高
を上げて行く場所には路面がバンピーな部分がありマシーンの姿勢を乱されましたが
コントロールできる範囲で問題ありませんでした。トライ3では、ここでスローダウン
する余裕もありましたしね。この3日間のデータをもとに決勝のスペックを決めて行き
ます。
また、今日は夕方から、コロラドスプリングスのダウンタウンでファンフェストが行
われます。毎年多くのファンが集まってくれます。今年も一緒に楽しみましょう!」
Pos. | No. | Driver | Car | Run1 | Run2 | Run3 | Run4 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | Nobuhiro Tajima | TAJIMA | 2:49.76 | 2:39.77 * | 3:12.11 | DNS |
2 | 230 | Fumio Nutahara | TOYOTA | 2:52.84 | 2:50.24 | 2:43.50* | 2:58.00 |
3 | 311 | Elias Anderson | HEC | 3:28.57 | 3:06.80 | 2:58.87* | DNS |
4 | 16 | Ikuo Hanawa | SUMMIT | 3:08.67 | 3:07.91 | 3:07.10* | 3:08.97 |
5 | 13 | Michael Bream | BMW | DNS | 3:43.68 | 3:14.65* | DNS |
6 | 34 | Beccy Gordan | MITSUBISHI | DNS | 04:23.08 | 03:57.51* | DNS |
7 | 32 | Hiroshi Masuoka | MITSUBISHI | DNS | DNS | DNS | DNS |
コロラドスプリングス 8月9日(快晴)
2012パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムの、プラクテイス2日目が行われた。
今日の私たちの走行は、ミドルセクション。まるでWの文字を横にしたような、急なスイッチバックの坂道によって一気に標高を上げるため、パワーが必要とされるコースだ。ドライバー達はステアリングをフルロックするまで切り込んだり、テールスライドを屈使して駆け上がって行く。パイクスピークの全コースにおいてハイライトのひとつと言える難関だ。特に電気自動車にとっては、電力消費量とタイムのせめぎ合いになる重要なポイントだ。
チームAPEV with モンスタースポーツのモンスター田嶋とE-RUNNER パイクスピークスペシャルは、DAY1に続いて好調をキープしている。
これまでのセッティング変更が功を奏し走行するごとにタイムを向上させ、エレクトリッククラスのトップタイムを記録。多くのデータを収集する事もでき良いテストとなった。明日はいよいよ山頂へ至るトップセクションを走行する。
前半はフラットな超ハイスピードコース。 後半は一気に山頂まで駆け上がる長くて急な上り坂が続き、 最終コーナーはヘアピンカーブを抜けてフィニッシュだ。
今日はミドルセクションの走行でした。
崖っぷちを駆け上がる大変に難しいコースでしたが、昨日の結果を受けてセッティング変更したこともあって、 良いフィーリングを得ることができました。 私たちは常に決勝日の一発勝負を想定していて、これまでの経験を活かし、テスト走行やセッティングを進めています。
今日の結果は良いものでしたが、もとよりここだけのトップタイプを狙っているわけではありません。
明日のトップセクションは、山頂まで一気に駆け上がるハイスピードコースです。
マシーンの性能とテクニックの差が出る、僕が最も得意なセクションですから、今から走るのが楽しみです。
Pos. | No. | Driver | Car | Run1 | Run2 | Run3 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | Nobuhiro Tajima | TAJIMA | 2:39.45 | 2:38.23 | 2:36.26* |
2 | 230 | Fumio Nutahara | TOYOTA | 2:48.97 | 2:46.48 | 2:44.28* |
3 | 311 | Elias Anderson | HEC | 3:17.58 | 3:06.15 | 2:58.98* |
4 | 32 | Hiroshi Masuoka | MITSUBISHI | DNS | DNS | DNS |
5 | 16 | Ikuo Hanawa | SUMMIT | 2:55.38* | 2:57.83 | 2:56.84 |
6 | 13 | Michael Bream | BMW | 4:46.88 | 3:11.73* | DNS |
7 | 34 | Beccy Gordan | MITSUBISHI | 4:18.79 | 4:07.32 | 3:54.80* |
8月8日、コースの全てが舗装路となった新時代のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムが開幕した。全コースが舗装路となったことで注目されるのは、タイムがどれだけ伸びるのか、そして、新たな基準となるトップタイムをだれが記録するのかだろう。
パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムでは、コースを三分割して練習走行を行う。
レース初日、チームAPEV with モンスタースポーツのモンスター田嶋が参加するエレクトリッククラスに割り当てられたコースはボトムセクション。コース全長の半ばまで使い、3日間の中では最長の距離だ。もちろん、昨年まで未舗装だった部分も含まれる。
チームは、アメリカ入りした後も積極的にテストを行い、電気自動車の本格的なレーシングカーである「E-RUNNER パイクスピークスペシャル」の熟成を重ねて万全の体制で初日に臨んだ。結果は、エレクトリッククラスでトップのタイムを記録。ガソリンエンジン車に遜色無い性能を強くアピールし、明日からの闘いに期待を抱かせるものとなった。
今年のレースの初日、そして電気自動車になったニューマシンで初めての走行なので少し心配していましたが、良いフィーリングを得ることができて安心しています。まずはマシンとコースの感触を確かめるように慎重にスタートしました。 あとは、決勝へ向けてもう少しセッティングが必要です。今年、舗装路になるのはわかっていましたが、想定していたものと少し違うので。これからサスペンションやタイヤを中心に仕様変更していきます。
Pos. | No. | Driver | Car | Run1 | Run2 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | Nobuhiro Tajima | TAJIMA | 4:14.786 | 4:13.343* |
2 | 230 | Fumio Nutahara | TOYOTA | 4:27:451* | 4:27.659 |
3 | 311 | Elias Anderson | HEC | 4:52.783 | 4:37.228* |
4 | 32 | Hiroshi Masuoka | MITSUBISHI | 4:37.322* | DNF |
5 | 16 | Ikuo Hanawa | SUMMIT | 4:49.925 | 4:49.638* |
6 | 13 | Michael Bream | BMW | DNF | 5:05.393* |
7 | 34 | Beccy Gordan | MITSUBISHI | 6:36.898 | 6:25.524* |