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2014 パイクスピーク・ヒルクライム レースレポート

6月29日 決勝レース

6月29日(日)、第92回 パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム決勝レースが、コロラド州、コロラドスプリングス、パイクスピークを舞台に行われた。

TEAM APEV with モンスタースポーツでは、優勝を果たした昨年の経験を基に、より一層マシンを進化させるべく、日本国内で様々なテストを行い確かな感触を得ていた。しかしながら、実際のコースでは若干違和感のあるものとなり、練習走行を通じて様々なセッティングにトライし決勝日を迎えた。

2014 パイクスピーク・ヒルクライム 6.256月25日 練習走行2日目 ボトムセクション

天候は朝から雲ひとつ無い快晴。気温もグングン上昇し、練習走行では経験しないほどの暑さになった。
E-RUNNER パイクスピークスペシャルを駆るモンスター田嶋は、四輪車部門4番手の出走。二輪車部門で走行中断があったため、想定よりも遅い時間帯のスタートとなった。暑さがチームの想定を超えたことが心配されたが、やはり、これが影響を与えることになった。

スタートダッシュは抑えめに、タイヤのトラクションを最大限に活かした走りだ。丁寧にコーナーを繋ぎながら山頂を目指した。コース途中から温度上昇に 起因すると思われる制御が入りスピードダウンする症状が発生。しかし、無事フィニッシュラインを通過した。結果的に昨年のタイム若干上回ることはできたが、想定していたタイムには届かず。残念ながら進歩を数字で示す事をできなかった。

エレクトリック・モディファイド・ディビジョンでは、三菱自動車チームのトレーシー選手が1位、同チーム増岡選手が2位となった。一般公道を舞台とするパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムへ向けて、三菱自動車という大手自動車メーカーのチームが、総力を挙げて電気自動車レーシングカーを進化させてきたことを賞賛すると共に、彼らの努力に敬意を払いたい。今後も、こうした過酷なレースへの参加を通じて電気自動車の技術 が磨かれていくのだろう。

また、今大会、四輪車部門の総合2位から4位を電気自動車が占める結果になった。高出力のガソリンエンジン車が跋扈してきた同大会において、電気自動車の優位性と新たな可能性を示す事ができた事は非常に喜ばしく、その一翼を当チームが担うことができたことは誇らしい。

TEAM APEV with モンスタースポーツは、2015年に開催される第93回大会、そして、2016年に100周年を迎える第94回大会へ向けて新たなスタートを切る。目標はもちろん、電気自動車初の総合優勝だ。

2014 Pikes Peak Intl. Hill Climb June 26 - Practice Day 3

ドライバー モンスター田嶋 コメント

今年は悔しさと嬉しさが半々のレースになりました。勝てなかった事はもちろん悔しいです。しかし、一方で、私達の活動が刺激になって、大手自動車メー カーの三菱自動車が本気で勝ちにきた。そして、テスラやトヨタ、ホンダも電気自動車部門に参戦してきている。今後、この流れがますます加速し、パイクス ピーク・インターナショナル・ヒルクライムが環境問題の最先端を行くレースに発展して行ったら嬉しいです。この過酷なレースで優勝した三菱自動車チームを賞賛したいと思います。おめでとう!そして最後に、私達の活動に賛同し、ご支援いただいたスポンサーの皆様、応援してくれた方々に心から感謝いたします。

エレクトリック モディファイド Div. 結果

決勝レース
Pos. No. Driver Car Time
1 34 Greg Tracy MITSUBISHI 09:08.188
2 32 Hiroshi Masuoka MITSUBISHI 09:12.204
3 1 Nobuhiro Tajima TAJIMA 09:37. ※正式タイム未発表
4 8 Ikuo Hanawa SUMMIT 12:18.019
5 360 Janis Horeliks TESLA 12:57.536
Unofficial
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6月27日 練習走行3日目 ミドルセクション

6月27日(木)、練習走行3日目は、24日の公式練習でも使用したミドルセクションを再び走る。チームではこれまでに様々なセッティングを試しデータを蓄積してきたが、初日と同じコースを再び走る事で進むべき方向が明確になってきた。

2014 パイクスピーク・ヒルクライム 6.256月25日 練習走行2日目 ボトムセクション

午前5時30分走行スタート。天候は曇りだが雨の心配は無さそうだ。ミドルセクションはコース長が短いため、5本の走行機会があった。E- RUNNER パイクスピークスペシャルを駆るモンスター田嶋は、エアロやサスペンションに施したいくつかのセッティングの効果を確かめるべくコースイン、ひとつひとつのコーナーを丁寧に攻めて行く。結果はタイムにも現れ、初日のタイムを大幅に更新した。

その後は、1本目から発生していたブレーキバランスが崩れるトラブルが悪化し、それ以上タイムを詰めていくことはできなかったが、決勝レースへ向けて セッティングの方向性が正しい事を確認することができた。チームでは、明日の メンテナンスデイも有効に使い、万全の体制で決勝レースに挑む。

第92回 パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムは、29日 日曜日 午前8時(現地時間)に決勝レースがスタート。まずは二輪車部門が走行し、次いで四輪車部門となる。E-RUNNER パイクスピークスペシャルを駆るモンスター 田嶋は、四輪車部門4番目に出走する予定だ。

ドライバー モンスター田嶋 コメント

今日はプラクティス デイ3、2回目のミドルセクション走行でした。これまでに進めてきたセッティングが功を奏してタイムアップすることができました。しかし、まだまだ満足が行く状態ではありません。土曜日も有効に使って、スタッフと共に最善の状態に持って行きたいと思います。
それにしても、四輪車総合の予選2位から4位を電気自動車が占めたことに驚いて います。いよいよ電気自動車の時代が来ます。私達の活動が電気自動車の普及につながれば非常に嬉しいです。日曜日はいよいよ決勝レースですので応援よろしくお願いします。

エレクトリック モディファイド Div. 結果

プラクティス Day3
Pos. No. Driver Car Run1 Run2 Run3 Run4 Run5
1 34 Greg Tracy MITSUBISHI 02:35.04 02:25.65 DNS DNS 02:26.75
2 32 Hiroshi Masuoka MITSUBISHI 02:59.15 03:21.95 DNS DNS 02:31.03
3 1 Nobuhiro Tajima TAJIMA 02:31.67 02:36.69 DNS DNS 02:32.25
4 8 Ikuo Hanawa SUMMIT 02:58.70 02:55.56 DNS DNS DNS
5 360 Janis Horeliks TESLA 03:20.21 03:16.01 03:13.97 DNS 03:15.89
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6月26日 練習走行2日目 ボトムセクション

6月26日(木)、練習走行2日目のボトムセクションは、岩山に囲まれた昨日のトップセクションから一転してパイクナショナルフォレストの豊かな森林の中を駆け抜けるステージだ。僅か20Kmのコースでこれだけ表情が違うのは、まさにパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムの難しさを如実に表すものと言える。

2014 パイクスピーク・ヒルクライム 6.256月25日 練習走行2日目 ボトムセクション

昨日同様に、午前5時30分に走行スタート。天候は引き続き快晴で雨の心配は無い。ボトムセクションはコース長が9km弱あるため、走行は3本に止まった。E-RUNNERパイクスピークスペシャルを駆るモンスター田嶋は、果敢にコースを攻めるが、レースウィークに入ってから抱えている違和感を解消できず、思うようにアクセルを踏む事ができていない。結果的にライバルとのタイム差を充分に詰めることができなかった。

チームでは、サスペンションを中心にセッティングを進めているが、路面とタイヤのマッチングが思う方向に進んでいかず、決勝レースへ向けての試行錯誤を続けている。明日の練習走行3日目は、再びミドルセクションを走行することもあり、何らかの方向性が見えてくるだろう。

ドライバー モンスター田嶋 コメント

今日はプラクティス デイ2、ボトムセクションを走行しました。こうやってナショナルフォレストの美しい自然の中でレースをしていると、電気自動車にスイッチして良かったと、本当に思います。レースを楽しみながらも、この美しい自然を後世に残して行かなければいけません。
今日は予選も兼ねていましたが、決勝レースへ向けてのセッティングに専念しました。まだ、いくつかのセッティングを試している最中で決勝レースの全体を組み立てることはできていませんが、明日のプラクティスで全てを決めます。そして、自信を持ってレースデイに臨みたいと思います。

エレクトリック モディファイド Div. 結果

プラクティス Day2
Pos. No. Driver Car Run1 Run2 Run3
1 34 Greg Tracy MITSUBISHI 03:51.445 DNS 03:48.208
2 32 Hiroshi Masuoka MITSUBISHI 03:55.704 DNS 03:51.445
3 1 Nobuhiro Tajima TAJIMA 04:07.678 04:06.116 04:02.000
4 8 Ikuo Hanawa SUMMIT 04:49.163 04:44.905 DNS
5 360 Janis Horeliks TESLA 05:11.765 04:57.255 04:59.575
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6月25日 練習走行1日目 トップセクション

6月25日(水)、練習走行1日目の舞台であるトップセクションは、昨日の公式練習のゴール地点「デビルズプレ イグラウンド」がスタートとなり、決勝レースでもゴールとなる山頂までのコースだ。標高3890mから4300mの山頂に向けて尾根づたいを走るため、標高差は400m程とそれほど大きくない一方で、非常にスピードが乗るために緻密なドライビングが要求される。また、今年は路面が荒れている部分も多く、サスペンションセッティングにもこれまで以上に気を使わなければならない。

2014 パイクスピーク・ヒルクライム 6.256月25日 練習走行1日目トップセクション1

午前5時30分に走行スタート。天候は快晴だが気温は低く、特に早朝の時点では路面温度が非常に低くなっている ためタイヤは本来の性能を発揮していない状態だ。E-RUNNERパイクスピークスペシャルを駆るモンスター田嶋は、現在の状況とは異なる決勝の状況を頭の中で整理し、シミュレーションを行いながら走行を重ねた。

現時点では、最大のライバルである三菱自動車チームが好タイムを出しているが、タイヤウォーマー使用の有無な ど、いくつかの状況や練習走行に対する考え方の違いがあるため、あくまでも参考程度の数値と言えるだろう。チームでは、29日の決勝に照準を合わせセッティングを煮詰めて行く。

明日26日は、ボトムセクションを走る。予選を兼ねるため重要な一日となる。

ドライバー モンスター田嶋 コメント

今日はプラクティスデイ1、トップセクションの走行でした。非常に寒く、1本目の走行ではタイヤ温度が0度と、まるでスカンジナビアのウインターラリーのような寒くて冷たいロードコンディションでした。今日は色々なテストができましたので、これを活かして、この後のプラクティス、そしてレースデイに臨みたいと思います。

エレクトリック モディファイド Div. 結果

プラクティス Day1
Pos. No. Driver Car Run1 Run2 Run3 Run4
1 34 Greg Tracy MITSUBISHI 02:45.07 02:29.48 02:29.05 DNS
2 32 Hiroshi Masuoka MITSUBISHI 02:46.55 02:35.04 02:31.74 DNS
3 1 Nobuhiro Tajima TAJIMA 02:51.41 DNS 02:37.79 02:36.15
4 8 Ikuo Hanawa SUMMIT 03:10.51 03:03.07 03:02.60 DNS
5 360 Janis Horeliks TESLA 03:26.25 03:21.25 DNS DNS
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6月24日 公式練習走行

6月24日(火)、いよいよコース走行が始まった。
初日は自由参加の公式練習走行だが、チームではコースとマシンのチェックを行うための良い機会と捉え、3本の走行を行った。エレクトリック・ディビジョンに割り当てられたのは、ミドルセクション。コース中ほどの、標高を一気に上げて行く区間であり、電気自動車にとってはバッテリーへの負荷が大きくなるため良いテストになる。

2014 パイクスピーク・ヒルクライム 6.24公式練習走行

天候は晴れ、しかしながら今年は残雪が多く見られることからもわかる通り、気温が若干低く感じられる。
早朝の時間帯に行われるため決勝とは路面温度も違うが、チームでは2種類のタイヤをテストするなどデータ収集に努めた。E- RUNNERパイクスピークスペシャルを駆るモンスター田嶋は、慣れ親しんだコースの僅かな変化も見落とさないように慎重にラップを重ね、決勝レースへのストーリーを描いた。

明日からの3日間は、水曜日:トップセクション、木曜日:ボトムセクション、金曜日:ミドルセクションの順で練習走行を行い、その中で木曜日のボトムセクションが予選も兼ねる。今年から、決勝のスタート順が変更になり、所属するクラスに関わらず予選順位の速い選手から決勝をスタートすることになったため、予選順位の重要度がより増したと言えるだろう。

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6月23日 参加受付・車検

6月23日(月)、今日から正式にレースウィークがスタートし、初日は、参加受付と車検が行われた。コロラドスプリングス・ワールドアリーナで行われた車検では、エレクトリッククラスが順番待ちをしている際に、雹が混じるスコールに襲われるハプニングがあった。やはり、天候が非常に不安定で、今年のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムが一筋縄では行かない事を感じさせる。

2014 パイクスピーク・ヒルクライム参加受付・車検

車検場では、同じクラスを走るライバル達が一同に会するとあって、和やかな中にも早くも情報戦が始まっている。エレクトリック・ディビジョンの中でもTEAM APEV with モンスタースポーツの最大のライバルとなるのは、三菱自動車チームの2台だろう。昨年の雪辱を期してマシンを大幅に進化させてきた。また、パイクスピーク へのEV参加のパイオニア、横浜タイヤチームも引き続き参戦を続けている。昨年注目されたラトビア共和国チームはマシンをテスラに変更してきた、どのようなポテンシャルを持っているのか動向が注目される。

車検では安全面を重点的に見られる。ドライバーのヘルメットやレーシングスーツに始まり、レースカーでは、ロールケージ やシートベルト等。さらに、電気自動車ならではのものとして、車両の接近を知らせる警報音の音量や、電気系統の安全装置 などが重点的にチェックされる。もちろん、E-RUNNER パイクスピーク・スペシャルは、問題無く車検をクリアした。

明日(現地時間24日)は、公式練習が行われ、エレクトリック・ディビジョンは、ミドルセクションを走行する。今年始め てのコース走行になるため、続く3日間の練習/予選、そして決勝レースを攻略するために、コースコンディションとマシンのマッチングを慎重に見極めるための走行になるだろう。

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