日本の技術を結集して究極のEVを開発し、世界最高峰の舞台で大出力のエンジンカーにチャレンジすることで、EVの優秀性を証明します。また、この活動から得られた技術でEVの普及を促進することこそが、このレース参加の最終目的となります。
本年のレース車両「2016 Tajima Rimac E-Runner Concept_One」は、電気自動車開発において優れた技術を持つ3社、タジマモーターコーポレーション、SIM-Drive、RIMAC AUTOMOBILI(クロアチア)のコラボレーションによって生まれたレース用電気自動車です。新しいシャシー、新しいパワートレーンを得た2015モデルをベースに、1.1MW(メガワット ※約1500ps相当)の高出力を有効に活かすためにより一層の改良を加えました。
(1)トルクベクタリング制御最適化:4輪のトルクベクタリング制御を一層洗練し、加速・減速・コーナリングのあらゆる場面で制御の最適化を進め、様々な路面状況が現れるコースにおいて安全かつ速く走れるよう改良。
(2)タイヤ性能向上:Giti Tire(シンガポール)によって供給される専用設計のタイヤは、構造の見直しを行いサイドウォールの剛性を最適化。温度変化が大きい路面に対して安定して性能を発揮するタイヤを開発。
(3)エアロダイナミクス性能向上:空力バランスを見直し、前後ウイングのサイズや装着位置、車高を変更。ダウンフォース総量をさらに高め、コーナリング速度を向上させるよう改良。これらの改良の相乗効果により、大幅なタイム向上を実現します。
メーカー | タジマモーターコーポレーション |
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フレーム | アルミニウム スペースフレーム |
ボディパネル | カーボンファイバーコンポジット |
モーター | Rimac 4モーター |
バッテリー | Rimac オートモビルバッテリーパック 57kWh |
最大出力/最大トルク | 1100 kW / 1500Nm |
駆動方式 | 4WD / Rimac チェーンドライブ シングルリダクション トランスミッション |
駆動制御 | Rimac トルクベクトル制御 |
ドライブシャフト | NTN 等速ジョイント |
サスペンション | フロント/リヤ: ダブルウイッシュボーン |
ブレーキディスク | フロント/リヤ:φ370mm ベンチレーテッド + Rimac 回生ブレーキシステム |
ブレーキキャリパー/パッド | フロント/リヤ:8 pot キャリパー / winmax ブレーキパッド |
タイヤ | フロント/リヤ: 340/710-18 Giti Tire |
ホイール | フロント/リヤ: 18x13Jマグホイール |
全長x全幅x全高 | L5170 x W2100 x H1350 mm *前後ウイング含む |
ホイールベース | 2700mm |
車両重量 | 1500kg *ドライバー除く |
性能 | 0-100km/h:2.2秒 / 最高速 270km/h |
ドライバーは、パイクスピーク・レジェンドであり、電気自動車普及協会代表理事を務める田嶋伸博。今年、同大会への初参加から28年目となる田嶋は、長年に渡り参戦を続け大会の発展に寄与したことから、殿堂入りすることが発表されています。また、PPIHCミュージアムに、1993年に使用したマシンが永久保存されることも決定。これらの式典が行われます。
モンスターと異名をとり、日本はもとよりアジアを代表するドライバーとして、アメリカ、ヨーロッパでもその名を広く知られています。国内ダートトライアル選手権、環太平洋地域の国際ラリー、 国際ヒルクライムと、主に3つのカテゴリーに参戦。今なお現役、アジアのラリー界を代表する選手として第一線で活躍しています。
18歳でレースデビュー。ダートトライアルにおいて、1トライ目転倒リタイヤ、2トライ目逆転優勝という衝撃的なデビューを果たした。 国内ラリー、ダートトライアルで活躍する傍ら1970年代より日本人選手の草分けとして、海外での国際ラリーにも精力的に参戦、1979年サザンクロスラリー(オーストラリア)では、アジアベストドライバーの表彰を受けた。1982年・1985年にはSCCAプロラリー(アメリカ)で活躍しました。
「モンスター」というニックネームはサザンクロスラリー参戦時の走りに由来する。現地ジャーナリストが「日本からモンスタードライバーがやってきた!」書き立て、これが後にニックネームとして定着しました。
ドライバー:田嶋伸博
(たじま のぶひろ)
1950年6月28日生
石川県出身/東京都在住
- 株式会社タジマモーターコーポレーション
代表取締役会長兼社長/CEO
- 株式会社SIM-Drive 代表取締役社長
- 一般社団法人電気自動車普及協会(APEV) 代表理事
- 浮揚式津波洪水対策用シェルター普及協議会(APTS) 代表幹事
- 磐田新産業創出協議会 理事
- 袋井市産学官連携推進協議会委員
- JEVRA 日本電気自動車レース協会 理事
- JAF公認 チームモンスター 会長
海外ラリーへも精力的に参戦し、FIAアジアパシフィックラリー選手権(APRC)では1995年~1998年の4年連続を含み、二輪駆動部門チャンピオン獲得を成し遂げました。 国際ヒルクライムでは、1988年から継続してパイクスピーク・ヒルクライム(アメリカ)に参戦し、1995年には日本人初の総合優勝という快挙を達成。そして2007年には、同大会において13年間破られることのなかったコースレコードを破りワールドレコードを樹立。さらに2011年にも自らの記録を破り「10分の壁」を越える新たなワールドレコードを樹立する偉業を成し遂げました。なお、同大会においては2006年から2011年までも連覇を達成しています。また、過去ニュージーランドで開催されていたレース トゥ ザ スカイでは、8回もの総合優勝を獲得。両大会で「キング オブ ザ マウンテン」の称号を得ています。
パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(アメリカ・コロラド州)
■1988年 ショールームストックDiv. クラス3位 ---
■1989年 アンリミテッドDiv. DNF ---
■1990年 オープンラリーDiv. DNS ---
■1991年 PPオープンDiv. 3位 12分34秒51
■1992年 アンリミテッドDiv. クラス優勝 12分51秒63
■1993年 アンリミテッドDiv. クラス優勝/総合2位 10分44秒22
■1994年 アンリミテッドDiv. クラス2位/総合5位 10分51秒15
■1995年 アンリミテッドDiv. 総合優勝 7分53秒00※
※天候不順のためコース短縮
日本人初優勝
■1996年 アンリミテッドDiv. クラス2位/総合2位 10分21秒88
■1997年 アンリミテッドDiv. DNF ---
■1998年 アンリミテッドDiv. クラス2位/総合2位 10分32秒57
■1999年 アンリミテッドDiv. クラス2位/総合2位 10分37秒35
■2000年 PPオープンDiv. DNF ---
■2001年 アンリミテッドDiv. DNF ---
■2006年 アンリミテッドDiv. 総合優勝 7分38秒※
※天候不順のためコース短縮
■2007年 アンリミテッドDiv. 総合優勝 10分01秒408
世界新記録樹立
■2008年 アンリミテッドDiv. 総合優勝 10分18秒250
■2009年 アンリミテッドDiv. 総合優勝 10分15秒368
■2010年 アンリミテッドDiv. 総合優勝 10分11秒490
■2011年 アンリミテッドDiv. 総合優勝 9分51秒278
世界新記録樹立
■2012年 エレクトリックDiv. 予選:クラス1位/決勝リタイヤ
■2013年 エレクトリックDiv. EVクラス優勝 9分46秒530
EVクラスワールドレコード樹立
■2014年 エレクトリックモディファイドDiv. クラス3位/総合4位 9分43秒900
■2015年 エレクトリックモディファイドDiv. クラス2位/総合2位 9分32秒401